「……マリア?」
切羽詰った声は、なんとか届いていたようで。
振り返った魁さんが、こっちを見て表情を強張らせる。
「マリア!?」
私の様子がおかしい事に気がついて、すぐさま駆け寄って来てくれたけれど
「どうした!?」
「からだ…が、へ、ん……」
「体……?」
「……っ、息、が…っ……」
急速に感じた息苦しさに、うまく声を出すことができなかった。
「おい、マリアっ!」
段々と暗くなっていく視界の先で、慌ててスマホを耳に当てた魁さんが見えたけれど
「マリア!!」
頬に感じた温かさに少しだけホッとして、そのまま意識を手放した。