怖い。
急激な体調の変化に、恐怖感が沸き起こる。
「私が依頼した情報屋の名前は……クロ、です」
「───クロ?」
「はい」
「そんな情報屋、聞いたことあるか?」
「……知らねぇな」
「嘘ついてんじゃねぇだろうな」
「嘘なんかじゃっ……」
そんな私に気づかない魁さん達は、会話を続けていて。
こんなに近くにいるのに、まるで水の中で話しているように響く声はよく聞こえなかった。
このまま意識を失って目が覚めなかったら、どうしよう。
そう考えたら
「……か、いっ……」
朦朧としてきた意識の中、背中を向けている魁さんの名前を必死に呼んでいた。


