「かい、さ……?」
その表情が気になって名前を呼んでみたけれど、さっき暴れ過ぎたせいなのか喉がカラカラでうまく声を出せない。
それを聞いた魁さんは、更に眉根を寄せて
「迎えに来るのが遅くなって、すまない……」
首輪を外しながら謝罪の言葉を口にする。
どうして、助けに来てくれた魁さんが謝るの?
お礼を言わなければいけないのは私のほうで、魁さんは何も悪くないのに。
謝る必要なんてない。と、首を振って否定しようとすれば
「また、間に合わなかった」
「……え?」
ぼそりと。
遠慮がちに頬に触れてくる長い指先と共に、後悔を滲ませた声音が耳に届いた。
“ また、間に合わなかった ”
小さく呟いたその言葉に、少し前の記憶が蘇る。


