Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】





「かい、さ……?」


その表情が気になって名前を呼んでみたけれど、さっき暴れ過ぎたせいなのか喉がカラカラでうまく声を出せない。

それを聞いた魁さんは、更に眉根を寄せて


「迎えに来るのが遅くなって、すまない……」


首輪を外しながら謝罪の言葉を口にする。

どうして、助けに来てくれた魁さんが謝るの?

お礼を言わなければいけないのは私のほうで、魁さんは何も悪くないのに。

謝る必要なんてない。と、首を振って否定しようとすれば


「また、間に合わなかった」


「……え?」


ぼそりと。

遠慮がちに頬に触れてくる長い指先と共に、後悔を滲ませた声音が耳に届いた。


“ また、間に合わなかった ”


小さく呟いたその言葉に、少し前の記憶が蘇る。