「おい、ユエ。話が違うじゃねぇか! 結城が来るなんて聞いてねぇぞっ!」
近づいてくる魁さん、蓮さん、葵さんに動揺して、暁さんに文句を言う大男の声は震えていて。
文句を言われた彼女はといえば
「……っ、」
自分に向けられている、殺気が込められた鋭い視線に声も出ない。
扉の近くにいた下っ端のメンバーも、魁さんの一睨みで微動だにしない中
「と、止まれっ! この女がどうなってもいいのかっ!?」
私の首と繋がった鎖をジャラリと引いて、背中の男が焦ったように叫んだ。
それは、ドラマに出てくる犯人が追い詰められた時のセリフそのもので。
この流れからいくと、足を止めた魁さん達がボコボコに殴られるのが安易に想像できてしまう。
そんなことになったら、本末転倒だ。
私は何発殴られてもいいから、足を止めないで。
そう願いを込めて魁さんを見つめた。
……のだけれど。
「……っぁ」
再び喉に食い込んだ首輪が苦しくて、小さく声が漏れた瞬間
「……がっ、っ!」
何かが男目掛けて、凄い勢いで飛んできた。


