Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】





「……違、う」


「は?」


目の前の暁さんは、魁さんとの結婚が政略結婚だって言い切るけれど。


「それだけは、絶対に違うっ!!」


気がつけば、彼女に向かって叫んでいた。


だって……

初めて会ったクリスマス・パーティーで「俺の妻にしてやる」って言ってくれたのは、間違いなく魁さんで。

ずっと引き篭もって心を閉ざしていた私の結婚が、あの時点で決まっていたとは到底思えない。

なによりも。

私を愛おしそうに見つめるダークブラウンの瞳が偽りのものだったなんて、絶対に信じたくなかった。


「なっ、なによ……本当のこと教えてあげてるのに」


一瞬、たじろいだ暁さんだったけれど


「ホント、むかつく女っ!」


私の態度に激高して、手を振り上げたのが視線の端に映る。

また殴られるのか、と覚悟して、目をぎゅっと瞑った時だった。

入り口の扉に、何かがぶつかる大きな音が聞こえてきた。