どれくらい眠っていたのだろう。

大きな出窓の向こう側の空は、どんよりと曇った灰色で。

陽が差していない今が、何時なのかも分からないけれど。

いつもなら、けたたましい目覚まし時計の音でやっと起きる私なのに……

今日は、信じられないくらいスッキリと目が覚めた。


「……………………」


目覚まし時計も無いのに、自分で起きれるなんて……

天変地異の前触れじゃないだろうか?


普段ならば有り得ない目覚めの良さに驚きながらも、目を擦りながらむくりと体を起こすと


「………………ん?」


不意に覚えた違和感に、パチパチと瞬きを繰り返して辺りを見回してみる。


……あれ? 

眠りに着く前は、確かに日本へと向かっていたジェットのベッドルームで寝ていたはずなのに……


「ここは、何処……?」


明らかに違う部屋の広さと内装に、驚きを隠せない。