Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】




「お、おい! 大丈夫かっ!?」


白目をむいて失神している二人を揺する仲間の男。


「……ってぇな」


その中で、一緒に倒れ込んだ男の一人がヨロヨロと立ち上がる。


「なっ……何なんだよ、この女っ!」


まさか女に先手を打たれるとは思っていなかったようで、慌てて構える男達。


だけど……


「……遅い!」


とっくに戦闘態勢に入っている私の方が、素早かった。

一歩踏み込んで、目の前の男の脇腹に拳を叩き込むと


「かはっ……」


苦悶の表情を浮かべて膝をつく。

すぐに立ち上がれないのを確認してから、新たに向かってくる男に視線を向ければ


「クソがっ!!」


ものすごい形相で、金属バットを振り上げてくる。


───そんなモノで殴られたら、死んじゃうからっ!!


そう心の中で文句を言いながら、金属バットが振り下ろされる前に、それを右腕で受け流し


「ガラ空き」


無防備な鳩尾目掛けて左腕を突き出した。