「おいおい、俊哉~、なにふざけてんだよ」 「お前、女にやられちゃってんの?」 「ぎゃはは、だっせぇなぁ」 痛みでのたうち回る男を、ふざけていると勘違いしているらしい仲間達はゲラゲラと笑う。 ───相手が油断している今がチャンス! 俊哉と呼ばれた男に意識が向いている間に、隣にいた男の向こう脛をつま先で突いて 「……いっ、痛ぇーっ!」 前屈みになったところで、顎を蹴り上げる。 「がっ…!」 「え、ちょ、なんっ……」 その勢いのまま後ろに飛んだ男は、仲間の男二人を巻き込んで倒れ込んだ。