「お？ ほぉら、やっぱり俺をご指名じゃねぇか」
そう言って近づいた私に向き直った男は、満足そうに自分を笑っていた男達を見回した。
別に、指名したわけじゃないけれど。
そんなに最初の相手になってほしいなら、ご希望通り一番に相手をしてやろうじゃないか。
にこりと無言で笑顔を向ければ、男は一瞬気を緩めた。
それを狙って、ゆっくりと左腕を上げると
「なんだ…よ？」
まったく意味がわかっていない男は、私の腕の動きを目で追いかけてくる。
脱力したままの腕を男の鎖骨目掛けて振り下ろし、触れる瞬間に一気に力を込めれば
「ぐあっ！！」
悶絶しながら、目の前に崩れ落ちた。
