けれど、そんなにうまくいくわけもなく……
5歩ほど進んだところで、後ろを向いていた一人の男がこっちに振り返った。
「……………………」
「……………………」
目が合って固まる私と、顔を顰める男。
───見つかっちゃった……
「……あ? なんで、女がこんなところまで来てるんだよ」
その言葉で、気づいていなかった男達も一斉にこっちに振り返ると
「ん~? もしかして、俺達から逃げようとか考えてたんじゃねぇの?」
「それとも、早く俺達に相手してほしかったとか?」
軽口を叩き合いながらも出口を遮るように移動しながら、にやにやと薄ら笑いを浮かべる。
早く相手をしてほしいなんて
───そんなわけ、あるかっ!


