暁さんの車で連れてこられたここが、なんていう町なのかもわからない。
だから、このお店を出た途端に間違いなく迷子になるのもわかってはいるけれど。
取り敢えず……
───此処から逃げなきゃ、とんでもないことになるっ!!
迷子の心配以前の問題だ。
だって、この部屋に残っている男達の雰囲気は、誰から見ても異様で。
「俺ら、役得じゃね?」
ロン毛の、いかにもチーマーです、とような風貌の男が話しかければ
「役得、役得」
「俺、外人相手なんて初めてだ」
「もう我慢できねぇ……早く、ヤッちまおうぜ!」
「その前に、ヤクでキメちまった方がよくね?」
周りの男達が、目を血走らせながらそれに答える。
その後ろには、ビデオカメラも設置されていて。
この後、自分の身に起こることを想像して冷や汗が噴き出てきた。


