ひ弱男の言葉に、怒りを露にした暁さんだったけれど
「でも、ヤク漬けにするっていうのは、いい考えかも……」
少し考えてから独り言のように呟いて
「だろ~?」
「……なら、ヤク漬けにした後に親父に頼んで、風俗にでも売り飛ばしてやろうかしら。……ねぇ?」
名案だとばかりに、にやりと口元を歪める。
「おぉ、いいねぇ。んじゃ、それでいこーか!」
暁さんの意見に同意したひ弱男は、嬉々として仲間の方へと向かって行く。
その男に視線を向けることなく、私を睨みつけていた目を楽しそうに細めた彼女は
「じゃあ、マリア・ウィンザーさん。そういうことになったから。まだ、時間もた~っぷりあるし、精々楽しんで?」
くすくすと笑いながら体を起こすと、背中を向けて部屋の扉へと歩き始めた。


