目の前で足を止めて、前屈みになった彼女は 「でも……」 私の顔を覗き込んで 「それも、もう終わり。あんたは、結城さんの婚約者じゃなくなるんだから」 嬉しそうに話し出す。 “ 結城さんの婚約者じゃなくなる ” そう言い切る暁さんの言葉には、絶対的な自信が込められていて…… 心の中は、不安でいっぱいになる。 彼女のハッタリなのだと、自分に言い聞かせてみても 「……それは、どういう、ことですか」 返した言葉は弱々しいものだった。