Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】



目の前で足を止めて、前屈みになった彼女は


「でも……」


私の顔を覗き込んで


「それも、もう終わり。あんたは、結城さんの婚約者じゃなくなるんだから」


嬉しそうに話し出す。


“ 結城さんの婚約者じゃなくなる ”


そう言い切る暁さんの言葉には、絶対的な自信が込められていて……

心の中は、不安でいっぱいになる。


彼女のハッタリなのだと、自分に言い聞かせてみても


「……それは、どういう、ことですか」


返した言葉は弱々しいものだった。