そんな中、私を睨みつけながら無言でグラスを手にした暁さんは、興奮を抑えるように一気に飲み物を流し込むと
「……で、さっきの返事は?」
少し落ち着いたのか、ふぅ、と息を吐いてから口を開く。
##FC.gray##「結城さんと、早く別れてよ」##FE##
確かに、Rest roomで彼女に言われたのを覚えている。
覚えているけれど、それに頷くことなんて到底できるはずもなく……
ゆるゆると首を振って拒否を示せば
「何で?」
「え?」
「何で、別れないわけ? あんたが……あんたがいたら、いつまでたっても私が結城さんの婚約者になれないじゃない」
「……………………」
「……今まで女の影なんて、これっぽっちもなかったから安心してたのに。何で急に現れたあんたが、結城さんの婚約者になってるのよっ!」
再び激高した暁さんは、立ち上がると私の方へと近づいてくる。


