Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】




そんな中、私を睨みつけながら無言でグラスを手にした暁さんは、興奮を抑えるように一気に飲み物を流し込むと


「……で、さっきの返事は?」


少し落ち着いたのか、ふぅ、と息を吐いてから口を開く。



##FC.gray##「結城さんと、早く別れてよ」##FE##


確かに、Rest roomで彼女に言われたのを覚えている。

覚えているけれど、それに頷くことなんて到底できるはずもなく……

ゆるゆると首を振って拒否を示せば


「何で?」


「え?」


「何で、別れないわけ? あんたが……あんたがいたら、いつまでたっても私が結城さんの婚約者になれないじゃない」


「……………………」


「……今まで女の影なんて、これっぽっちもなかったから安心してたのに。何で急に現れたあんたが、結城さんの婚約者になってるのよっ!」


再び激高した暁さんは、立ち上がると私の方へと近づいてくる。