Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】



かちゃりと開いた入り口からは、大音量の音楽が流れてきて


「失礼致します」


飲み物を持ったウェイターが入ってきた。


無意識にその動きを目で追っていれば


「カルーア・ミルクでございます」


テーブルの前で片膝をついてグラスを置いていく。


───あれ?

暁さん、飲み物なんていつ頼んだんだろ?

なんてことをぼんやりと考えていれば、立ち上がる直前に転がっている灰皿をサイドテーブルに戻すと、一礼して下がって行くウェイター。


「……………………」
「……………………」


二人きりになった部屋は、再び重い空気に包まれた。