Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】




「アル君、汚い……」


飛び散るマフィンから守るように、手にしたそれを避ける。


「だって、お前……精神統一が花束を作る事って、どこの乙女だよ?」


「これが一番、落ち着くの!!」


何種類かの可愛い花をチョイスして、ミニ花束を作る。

最初は生け花を習っていたけど、どうにもあの雰囲気が合わなくて。

辞めちゃおうかなって思ってた時に、街中で偶然目にしたフラワーアレンジメント教室の広告に興味が湧いて鞍替えした俺。

自分で思ってた以上に楽しくて、最近では女の子とデートする時には自分で作った花束を持って行く事が当たり前になっている。


「ふぅん。……で? その花束は、どうすんだ?」


「今、夢の中にいる可愛い“魁君のお姫様”にあげようかと思って」


「……アイツだけの姫じゃない」


“魁君の”って言葉に敏感に反応するのは、いつもの事だけど


「え~? でも、すぐに魁君だけのお姫様になるんだからいいじゃん」


「……………………」


たまには、意地悪も言ってやりたくなる。