「……どういう意味よ」
向けられた言葉の意味が理解できず、女は眉を顰める。
『んー、その前に一つ確認。そのレイプって、もちろん緊縛プレイなんだよね?』
「緊縛? 怯えてる女を縛ったら、面白味に欠けるじゃない。せっかくネットで流すんだもの。嫌がる女を無理矢理ヤる方が興奮するんでしょ、男って」
益々わからなくなってくる男の質問にも素直に答えれば
『あーぁ、やっちゃってるよ……』
返ってきたのは、残念そうな声だった。
「なによ」
『だからさぁ……せっかくマリア・ウィンザーの拉致に成功したのに、なんで詰めが甘いかなって言ってるんだけど』
男が言いたいのは、なぜあの女を拘束していないのか、ということだろうか。
そう考えた女は、くすりと笑うと
「……10人」
『は?』
「喧嘩慣れした男が、10人もいるのよ? たかが女一人に警戒する必要なんてないでしょ」
カクテルグラスに浮かんだベリーを一つ摘んで口に含んだ。


