「ふふっ」
男の言葉を聞いた女の口からは、思わず堪えきれなくなった笑い声が漏れた。
『なにが、おかしいの?』
「だって……今頃、ビデオカメラが回ってる前で泣きじゃくりながら男達にレイプされてると思ったら、おかしくって笑いが止まらないわ」
その場面を想像しているのか、嬉しそうに口の端を歪める。
『なに、ビデオカメラまで回してんの? 鬼畜だねぇ』
それに呆れた様子の男は
「言い逃れできないように、レイプされたっていう証拠を残しておかなくちゃ。それをネットに流せば、いくら貴族の大金持ちだからって、あの女は絶対に結城さんと結婚できなくなる。あはは、いい気味だわ」
『盛り上がってるトコ、悪いんだけどさぁ……』と、前置きをして
『それって、本当にマリア・ウィンザーがレイプされてればの話でしょ』
意味深な言葉を口にする。


