「……SNS?」
『そう。心当たりあるでしょ』
男の言うとおり、確かに心当たりはあった。
「一体、どうやってそんなもの……」
想像もしていなかったところからの情報漏洩。
『それ教えちゃったら、うち商売にならないから』
呆然とうろたえる女に構わず言葉を続ける男は
『まぁ、でも……』
「……………………」
『あんた、うちのお得意様だったから少しだけ警告しておいてあげるよ』
「警、告……?」
『そう、警告。……ねぇ、胡蝶の総長さん。さっきからカクテルなんて飲んじゃって随分と余裕みたいだけど、せっかく捕まえてきたマリア・ウィンザーを放っておいていいわけ?』
まるでその場に居るかのように尋ねてくる。


