言われた言葉を理解して、女は背筋を震わせた。
“ 依頼主のことも徹底的に調べ尽くす ”
クロと呼ばれている情報屋の男とは、もう何度も取引をしている。
ということは……
依頼していた女の情報も筒抜けになっているということ。
その証拠に、仲間内でもごく一部の者にしか知らせていなかった計画を男は知っていた。
極秘に進めてきた計画を、一体どこで耳にしたのか。
スマホを持つ手に滲む汗を感じながら思いを巡らせていた女に
『駄目だよ、拉致なんて犯罪計画をSNSなんかで遣り取りしちゃ。すぐに足がついて、捕まっちゃうよ』
「……………………」
男は、あっさりと情報源を口にした。


