ぱらぱらと肩を滑り落ちる薄い色素が、やけに色鮮やかに映る。

反対に、正体がバレた焦りから顔の色が失われていくのを感じていた。


ど、どうしよう……

この前魁さんと約束したばかりなのに、言ってるそばから暁さんにバレちゃうなんて。

「元の姿に戻らなければ大丈夫!」なんて、簡単に考えていたさっきまでの自分を思い切り罵ってやりたい。




「まさか本当に、こんな近くにいたなんてね……」


低く呟かれた声にハッとして視線を向ければ


「ずっと高みの見物して、笑ってたんでしょ? あんたを探し回ってるのに見つけ出せない私達を近くで見てて、さぞ楽しかったでしょうね」


おさげのカツラを握り締めたまま、憎々しげに睨みつけてくる暁さんが視界に映った。