あれから、マリアちゃんを寝かせて直ぐに戻って来た魁君達。
今はソファーに座って、マークさんは兄貴と、アル君は俺と、魁君は響君とそれぞれ会話をしている。
その中でも魁君だけは、病中にも拘らずイギリスに行っちゃった事を懇々とお説教されているんだけど。
「無謀過ぎだぞ」
「……………………」
それを無言で聞き流して、ランちゃんの入れてくれた絶品紅茶を飲んでいる魁君。
いつの間にか、俺だけじゃなく兄貴達も会話をやめて二人の遣り取りに聞き耳を立てていた。
「……ったく。どれほど驚いたと思っているんだ」
文句を言う響君に「悪かった」と、一応は謝った魁君だったけど……
見事なまでの棒読み謝罪だった。
「……………………」
絶対に……まったく、これっぽっちも悪いなんて思ってないよね?
この場にいる全員が、そう思ったに違いない。
その後も続いた響君のお説教にも動じる事無く、紅茶を飲んでいる魁君。
「……もう、いい」
その様子を見た響君は深い溜め息を吐いて、それ以上お説教するのを諦めたのだった。


