そんな荒井さん達を一瞥した暁さんは
「私? 私は堀越先生に頼まれて、そこの準備室に資料を取りに来ただけよ」
「……資料?」
「えぇ。ちゃんと先生から鍵を預かって来てるんだから、別におかしくないでしょ?」
「あなた達と違ってね」と笑顔で付け加えて、手に持っていた鍵を顔の横でちらつかせた。
「なっ、何言ってんの!? 私達だって、先生の許可をもらって……」
「あら、それは変だわ。堀越先生、予備の鍵がないって探してたもの」
「……っ!!」
鼻息荒く反論した荒井さんだったけれど、暁さんの言葉を聞いた瞬間、顔からは血の気が失せていく。
その強張った表情からは、先生の許可をもらって鍵を借りてきたとはとても思えなくて。
荒井さん達の誰かが、無断で持ち出したのがバレバレだった。


