「……そんなことは、ない、です」
そして、私に平和な学生生活をぶち壊す勇気はありませんでした。
だって、これ以上 “周防マリア” の敵を増やすわけにはいかないから。
できれば、高校を卒業するまでは目立たず平穏に過ごしていたい。
そんな切なる願いを込めて答えた私の返事に、暁さんの片眉がぴくりと動いたのが分かったけれど
「そうよねぇ?」
「周防さんが、そんなこと思うわけないわよ」
「性格の悪いご令嬢とは違うのよ」
彼女が何かを言う前に、今まで詰め寄ってきていた荒井さん達が口々に私を擁護し始めて。
「それに、暁さん。あなたこそ、この教室に何の用なの?」
「そうよ。教室の鍵まで持ってるし」
私も知りたかった事を、聞いてくれる。


