「ランちゃんっ!?」
俺の声に反応して、ぴくりと引き攣る彼の頬。
俺を見て、一瞬だけ物凄く嫌そうな顔をした後に、笑顔で挨拶をしてくる。
「お久しぶりですね、慧様。お変わりなく、お元気そうで……」
それはもう、完璧な作り笑いで。
「うん、元気元気! ランちゃんも、相変わらず堅苦しいねぇ」
「慧様がフレンドリー過ぎるのでは……」
俺が「ランちゃん」と呼ぶ度に、ぴくぴくと動く片眉は今日も健在だ。
久しぶりに会えたのは、とっても嬉しいんだけど……
此処にランちゃんが居る事が、凄い違和感。
だって……
「ランちゃんが日本に来るなんて、初めてじゃない?」
「そうですね。日本に来る機会が無かったものですから」
「……………………」
ウィンザー家の執事であるランスロット・クライヴ・アシュレイことランちゃんは、今までマークさんが仕事で世界各国を飛び回っている間も、イギリスの屋敷で留守番をしていたのに。
何で今回に限って、マークさん&ランちゃんという珍しいコンビが日本にやって来たのだろうか。
……何だか、嫌な予感しかしないんだけど。


