「うん。綾ちゃんと話している時の蓮さんって、なんだか空気が優しくなる気がするもん」
「……………………」
はぁっ!?
優しくなるって、どこがよ!
この子……今の私と蓮のやり取り、ちゃんと見てたわよね?
あれのいったいどこに、そんな要素があった?
優しさなんて、皆無だったと思うんだけど……。
「マリア、あんた目が腐ってるんじゃないの?」
「え?」
「私を睨みつけてきた時のあいつの顔、ちゃんと見てた? 優しくなるどころか、益々凶悪になってたじゃない」
少し離れた先で、結城と電話中の蓮に視線を向けながら問えば
「うーん、でも……やっぱり、綾ちゃんには優しいよ」
同じように蓮を見ながら答えるマリアは、笑みを浮かべていた。
「……………………」
やっぱり優しい?
そこまで言い切る自信は、どこからくるのだろうか。
もし、他の人と比べて優しいと言うのなら……
「それは私が幼馴染だから、そう見えるだけだと思うわよ」
それ位しか、思い当たらない。


