「うおっ!」
宙に舞ったスマホに手を伸ばし、蓮が慌ててキャッチする。
「おい、ぶっ壊れたらどうしてくれるんだよ!!」
「あんたが落とさなければ、壊れないわよ」
「てめぇ……」
ギリギリと歯を噛みしめながら睨んでくる様子は、獰猛な肉食獣そのものだ。
「それより、早く電話に出たほうがいいんじゃない? さっきから応答がないから、かなりご立腹みたいだけど」
そんなぎゃんぎゃんと喚く男に、スマホを指差して相手の状況を説明すれば
「そういうことは、もっと早く言えよ!」
サーッと顔色を変えて、「わりぃ、わりぃ」と謝りながら急いで話し始める蓮。
その様子を横目で見ていると、後方から視線を感じた。
ゆっくりと振り返って、後ろへと視線を向ければ
「マリア?」
呆けているのか、ぽかんと口を開けたマリアがこっちを見ていた。


