Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】



いくらマリアが超ド級の方向音痴だからって、高校生相手にそこまで大騒ぎする?

いくらなんでもやりすぎでしょ。


「俺に文句を言うんじゃねぇ」


苦虫を噛み潰したような顔をする蓮に対して


「じゃあ、誰に……」


言えばいいんだ、という言葉は続かなかった。

なぜならば


「言うならこいつに言えよ。言えるなら、な」


にやりと、それはそれは意地悪な笑みを浮かべたヤツに、通話中になっているスマホを手渡されたから。


……誰よ?

番号が登録されてない相手なのか、液晶画面を見ても名前はなく……


「も……」


取り敢えず誰なのか確認をしようと、耳に当てて声を出したその瞬間に聞こえてきたのは


『───マリアは居たのか』


思わず背筋を伸ばしてしまうほど緊張感のある声だった。