だって、あのマリアだよ?
そこそこ地味な生徒が多く通っているうちの学校の中でも、特に存在感が薄くて。
地味な日本人そのものの容姿をしていたあのマリアに「実は、ハーフなんです」なんていきなり言われても、「へー、そうなんだ」と素直に信じられない自分がいる。
確かに以前から、顔のパーツは整っているとは思っていたけれど。
あの黒縁メガネと長く覆い被さっていた前髪が、見事にその容姿を隠していたらしい。
メガネを外して髪と目の色が変わっただけで、正直ここまで変身するなんて誰が予測できただろうか。
多分……いや、絶対誰もいないと思う。
もう一度、上から下までまじまじとマリアを見る。
「……………………」
それにしても……
改めて見てみると、なんて綺麗な子なんだろうか。
大きなエメラルドグリーンの瞳は、吸い込まれそうな吸引力を持っていて目が離せない。
まるでお人形のような顔と色彩に、ただただ圧倒されていた。
そのせいか、ガン見されて居た堪れなくなったマリアが、そわそわと目線を泳がせはじめる。
「…………ぷっ」
その仕草が普段のマリアと変わらなくて、思わず笑みが零れた。


