マークさんの笑顔に固まっていると、部屋には入らずに歩き出してしまった魁君。
「あ……れ? 魁君?」
慌てて追いかけて声を掛ければ
「……マリアを寝かせてくる」
ぽつりと呟いて、腕の中のマリアちゃんを優しく抱き寄せた。
「そっか」
その穏やかな表情に、思わず笑みが零れる。
インフルエンザの高熱で、思うように動けなくて。
マリアちゃんがマークさんに連れて行かれちゃった時の魁君なんて見てられなかったから。
「お姫様の奪還、おめでとう」
本当に、よかった……
心の底からそう思って、魁君にだけ聞こえるように囁く。
当の魁君は、一瞬、びっくりした顔をしていたけれど
「……あぁ」
マリアちゃんに視線を落として、愛おしそうに見つめた。


