ガラッ!!
教室のドアが開いた。
私は、びっくりして、『キャァ!?』と、床にしりもちをついた。
「あ、ごめん。びっくりさせた?」
同じクラスの、青木健人くんだった。
「あ、大丈夫…」
「何してんの?部活、いかねーの?」
彼は、廊下を走ってきたみたいで、呼吸が、荒かった。
「け、健人くんこそ…部活は?」
「あ、忘れ物取りに来ただけ。」
「あ、そっか。」
「お前は…?」
「あ、私は…テニスラケットをなくしちゃって、探してたの…」
「バカだな。お前。自分の持ち物くらい自分で管理しとけよ。アホ。」
無性にムカついた。
「すいませんねっ!おいた場所覚えてないんですよーだ!」
「探してやるよ。一緒に。」
「え?」
「探してやるっていってんの。お前の耳、大丈夫か?」
「う、うるさいっ!」
「それより、あんた、部活いいの?」
「あ、センコーにばれたら、探し物してたっていっとく。」
変なやり取りだったけど、優しく探してくれた。
健人くんもいいやつなんだなって、
少しだけ、思った。

