その日の午後は 梅雨どきの 湿った空気が漂う中 しとしとと 雨が降り出していた 「……傘、 持ってきてないや………」 一日最後の授業 朝から考えるのは 野口くんのことばかり なんであの時 早く返事しちゃわなかったんだろ… 「……俺、傘あるけど 一緒帰るか?」