夢を見た。
真っ白な世界に立っている大きな大木。
あたしの好きな梅の木。
満開で梅の木は立っていた…
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「ん…」
あたしは重たいまぶたを必死に開ける。すると、ぼやけて目の前の景色が見えてきた。
もう外ではなくどこか建物の中みたいだ。和式の部屋にいた。
体にはふわふわとした感触。暖かみもあるところからして布団に寝ていて、あたしの体温で暖まっているのだろう。
「起きたか?」
声のする方を向くとそこには土方さんが座っていた。
「おぉトシ。なかなかのべっぴんじゃないか。」
土方さんとは違う声が反対側から聞こえる。あたしはその声の主を確かめるために起き上がりながら、反対側を向いた。
「あなたは…?」
「私は近藤勇。よろしくな!」
この人が…あの新撰組の局長になる人なんだ…。
明るくて良い人そう、という印象を持った。
「かっちゃん、こいつのどこが美人だってんだよ。出るとこ出てないし、駄目だなこいつは。」
「トシは誰とも構わず抱くやつだと思っていたが、そうじゃないんだな!」
ガッハッハ!と豪快に笑う近藤さん。
というか、それより大事なことが…
「出るとこ出てないってどういうことよ!!」
「お前まだ13、14くらいだろ?まぁ、そこくらいなら出ないのも頷けるがな」
「あたしは17です!」
なんと失礼な!と大声で自分の歳を言った。
だが、ぽかんと不思議そうな顔をする土方さん。あたしは近藤さんも見てみたが、こちらもぽかんあたしを見ていた。
「これは失礼…顔が幼かったもので。」
明らかに同様している近藤さんは、あたしに悪いと思ってくれているみたいだ。
うん。やっぱり良い人なんだろうな。
「その見た目で17…珍しいもんもあるもんだな」
マジマジとあたしを凝視している土方さん。
絶対この人悪いって思ってない。この人すごいムカつくんですけど。
「立腹しているところ悪いが、私の質問に答えてくれるかな?」
あたしをながめながら近藤さんがが問う。
「君はどこから来たんだい?」