甘く食欲がわく香り。
「ここは…?」
その香りのするお店の前で止まった土方さんに問う。
「甘味処だ。」
と、言うとまたスタスタと歩き出し、中へ進む土方さんに。あたしは慌てて土方さんを追った。
「あれ?土方さんにと小梅さんじゃないですか」
呆気にとられるあたしをよそに総司じゃねぇか、と沖田さんが座る前の席に腰掛ける土方さん。多分、慣れてるんだろうなこの状況に。
「あの…沖田さんっていつもこの量の甘味を食べてるんですか?」
沖田さんと土方さんは何言ってるんだというような目で見てくる。
え、あたし可笑しいこと言ったかな?
「これより食うに決まってるだろ」
口を開いたのは土方さん。というかこれより食べるって…あたしは切実に沖田さんの胃の中の仕組みがどうなってるか知りたくなった。
「小梅さん、小梅さん」
悶々と考えていると、小動物のようにあたしの名を呼ぶ沖田さん。おいでおいでと手を振るのであたしは沖田さんと土方さんが座っているところへと近づいた。
「座らないんですか?」
座りたい…座りたいんだけど、どっちに座ればいいんだろう。
土方さんの隣か、沖田さんの隣か。
その場で固まっていると、ぐいっと腕を引かれた。
すとんと座ったのは沖田さんの隣の席。
「はい、口を開けて下さい」
言われるがままに口を開けると、甘いものが入ってきた。みたらし団子だ。
「何これ美味しい!!こんなに美味しいみたらし団子食べたことないですよ!」
未来の世界でも食べたことのあるみたらし団子より、こちらの世界のみたらし団子の方が比べ物にならないくらいおいしかった。
「でしょ!?僕もここのみたらしは最高だと思うんです!」
キラキラとした顔でいう沖田さんにあたしは深く同感した。
「小梅」
ここに座って始めて口を開いた土方さん。
「好きなの頼め」
と言われたので、遠慮なく頼ませてもらった。
「こいつ、本当に女か?男の前でこんなに食うなんて…遠慮というものを知らないな」
「僕、小梅さんとすごく仲良くなれるような気がします!」
それからあたし達は(というか、あたしと沖田さんは)満足するまで甘味を食べまくった。
