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「ここだ」
あれから、近藤さんは土方さんにお金を持たせ追い払われるように試衛館を出た。
着物屋?この時代ではなんというのだろうか?
あたしが考えているうちにさっさと進む土方さんに慌ててついて行った。
「あら~土方さんやないの。珍しいわねぇ。今日は何の用?」
お店の綺麗な女の人が言う。土方さんの後ろに隠れていてあまり顔が見えない私は土方さんの背中からひょこっと顔を出し、女の人を見ると、ばちりと目が合った。
「あらぁ、この可愛らしい子は土方さんの恋仲かしらぁ?」
ぼぼぼぼぼっと顔が赤くなる。歴史に詳しいから恋仲が現代でいう、恋人だと知っている私は顔を赤く染め上げた。
「ち、違います!!!」
とりあえず、否定をせねばと必死に否定した。女の人はくすくすと笑う。
「土方さん、否定されてるやないの。」
「うるせぇよ。本当のことだからな。俺だってこんな平べったい奴なんて願い下げだ。」
私は無言で土方さんの前にまわり込み、すねに蹴りを入れてやった。
うっと言って痛がる土方さんに満足していた私の耳にまた女の人の笑いが聞こえた。
「土方さんが、こんな風にされるなんて。おもしろいわぁ。あなた名前は?」
「こ、小梅です」
小梅ちゃん、とにっこり笑う女の人がきれいで思わず見とれてしまう。
「私はお吉言います、よろしゅう」
「お吉」
いつの間にか回復していた土方さんが起きあがっていた。
「こいつに合いそう着物を選んでくれないか?」
にこりとしたお吉さんは土方さんに問う。
「何着でしょうか?」
「一着だ」
くすくすと笑うお吉さんはわかりました、と言いながら奥へ消えていった。
「小梅、お前も一着選べ。」
「え!?二着もいいんですか?」
「着替えが必要だろう。三着買う。」
三着?さっきお吉さんに頼んだのとあたしが選ぶので二着。あと一着は?
「なんだよ。俺が選んじゃ悪いのか?」
ちょっと頬を染めて、すねたような顔の土方さん。
「ば、ばか!!」
私も顔が赤くなりそうで、そう言い捨て着物を選びに行った。
遠くでばかとはなんだ!?と声が聞こえるがあたしは無視した。
