「私たちが上洛?なぜ?」
「…あまり歴史を言うのはやめたがいいかもしれないです。だからすみません。言えません。」
そうか…と近藤さんはそれ以上なにも聞かないでくれた。
「じゃあこうしましょうよ!もし小梅さんが言ったことが本当に起こったら彼女を信じる!僕はもう信じていますがね」
沖田さんはそう言いながら土方さんをちらりと見る。さっきの写真の顔が忘れられないのだろう。笑いをこらえている。
「わーったよ!俺も意地になりすぎた。」
頭をボリボリ掻きながら折れてくれた土方さん。
土方さんを見ると、昨日の写真のことを思い出してしまった。
また美波たちのことを思い出すと涙がでそうになる。だけどあたしはぐっとこらえた。
だけど、溢れてしまうのが涙で。
一粒でると止まらなくなってしまう。
「ど、どうしたの?」
わたわたとあたしのとなりに座っていたら平助君が心配してくれた。
そんな平助君に永倉さんがお前の口臭がきついんだ!とか、原田さんがお前の胴が痛かったんだ!とか平助君をせめる。
「ちがっ…ただ、未来のことを思い出して寂しくなって…」
シーン…とする広間。男子ばかりの試衛館で女子の慰めとか難しいに決まっている。
迷惑だって分かっていて、止めたくても溢れてくる涙はなかなか止めることができない。
すると、ポンッと頭の上におかれる昨日と同じ手。
「我慢するこったぁないぞ。泣きたきゃ泣きゃーいいんだ」
ガシガシと頭を乱暴に撫でる手に優しさがこもっているのを感じて、涙が余計に溢れ出した。
しばらくして、あたしは泣き止む。
「さすが、女慣れしている土方さんは慰め方がうまいですね。」
と茶化したような口調の沖田さんに睨みをきかせる土方さん。
「ところで、小梅さんの服をどうにかしましょう。」
山南さんが話題を変えた。そういえばあたし、着物とか持ってないし、着付けとか全然できないんだけど、どうしよう。
「そこで、だ。トシ。」
「ん?」
「小梅と一緒に着物を買ってこい。」
このパターン前にもあったような…
言い返せないような近藤さんの目に土方さんは頷く他何もできなかった。
