サイコさんは、憂鬱なのです。






「…………。」


 西川は、黙って目をパチパチさせた。

 寝起きというのは、どうも頭が動かない。



 ただ、目の前に綺麗なブレンドの髪の美少女の顔があるだけで。


 西川は、ゆっくりと自分の手の方を見る。



「……えーっと」


 西川はやっと、声を出した。


 西川の手は、少女の体の一部を掴んでいた。

 柔らかい、体の……



「う、うわぁ!」


 西川はガバッと、勢いよく起き上がった。

 少女は驚いて、尻餅をつく。



「な、ななな」


 西川は顔を赤くしながら、手を震わせて少女を見つめる。

 少女は、何食わぬ顔で西川を見ていた。




 今、俺どこ触ってた……?

 やっぱ、む、むむむ胸だよな?


 めっちゃ久しぶりー……じゃなくて!



 西川は、必死に頭を動かす。


 自分はなにをしたのか。

 いや、この少女は誰なのか。

 もしかして、知らないうちに連れ込んで……