サイコさんは、憂鬱なのです。








「はぁー!終わったー!!」




 一週間後。


 荷物という荷物を全て新しい家に運び終え、きちんと整理までした西川は、ベッドに倒れ込んだ。




「けど、本当にすごいなぁ」


 西川は天井を見ながら、今朝のことを思い出した。



 元々住むところは与えられていたのだが、西川は寮か何かだと思っていた。

 けれど、目の前にあったのは、綺麗な一軒家。


 最初は驚いて目を丸くさせた西川だったが、すぐに、


 俺、めっちゃ期待されてるじゃん。

 え、俺やっぱすげぇのかも。


 なんていう解釈をした。



「そんな長いこと住むわけでもないのにさぁ……」


 確か、3か月だっけな。


 西川は、目を瞑りながら考える。


 蝉の鳴き声が聴こえる。

 都会で生きてきた西川には、それがとても新鮮に感じられた。



「えーっと、確かあの子の名前は……」


 監視をする少女の名前を思い出す。



「暁彩子(あかつきさいこ)……か。サイコパスのサイコ…なんつって」