サイコさんは、憂鬱なのです。






 西川が一週間見つめていた少女、〔サイコ〕が目の前にいるのに。

 さっきの金髪の美少女が邪魔をして、西川は信じることができなかった。



 そんな西川が、必死に頭を動かして考えた結果。

 それは……


「これは夢だ、これは夢だ、これは……」


 西川は彼女に背を向け、頭を抱えた。


 夢、そうすることで全て納得がいくと、西川は考えたのだ。



「……なにしてんだ?」


 少女はそう言って、西川の顔を覗いた。

 やはり、彼女は地味なまんま。



「うっ」


 西川は改めて少女の顔を見て、夢じゃないと思った。



 信じられないが、これは事実。


 彼女は、金髪の美少女だった。

 あの写真は、彼女が変装をした姿。

 今、目の前にいるのも変装した彼女なのだ。



 西川は、必死のそのことを理解しようとする。


 彼女……サイコは、そんな西川を冷静に見ていた。



 西川はやっとその事実を理解出来て、サイコを見てこう言った。


「……サイコさん、ですね」


「ああ、そうだ」