サイコさんは、憂鬱なのです。





 西川は、急に自分を恥ずかしく思った。



 なにが幽霊だ。

 馬鹿げたことを少しでも考えていた自分が恥ずかしい。


 ………と。




 そんな西川を横目に、少女はいきなり服を脱ぎ始めた。


 西川は驚く。



「ちょ、なにしてるんですか!」


「着替えるんだ。この格好じゃ目立つ」


「は、はぁ!?」


 白いワンピースを着ているだけだろ……と、西川は思いながら、見ないようにするため手で顔を覆った。


 けれど、彼も男。

 少し指と指の間を開けて、見ようとしては、止めて。



 そんな風にしていると、

「もういいぞ」

 という声が聞こえて、西川は手を顔から離した。



 少女の服装は、灰色のマキシワンピにカーディガンという、ラフな格好。


 西川は、正直変わらないと思った。



 彼女は、いわゆる金髪。

 あと、瞳も青色なのだ。


 どう考えても、ヨーロッパ風なその顔だと、そんな綺麗な顔だと、目立つに決まっている。



「じゃ、じゃあ行きましょうか……」