サイコさんは、憂鬱なのです。






 少女の怒りは、ついに頂点にたどり着いた。



「お前が、西川友哉(ゆうや)だろう!」


「え、はい」


「うぅー……早く答えろ、バカが!」



 西川は、不思議で仕方なかった。


 何故、少女にブチ切れられてるのか。



 少女は、西川に背を向けた。



「あ、あのー」


 西川は、おどおどしながら、少女に話しかける。



「なんだ?」


 少女は振り向いた。



「なんで、ここにいるの……?ってか、誰?」


 西川の質問に、少女は眉間にしわを寄せる。



「誰?って、お前……僕は彩子。暁彩子だ」


 少女はそう言うと、長いブレンドの髪を耳に掛けた。




「あ、かつき…さい、こ?」


「ああ、そうだ」



 西川は、考える。