ひとりじめ


「瑠菜?どうしたんだ?」

小さい頃から知ってるんだ。
ちょっと様子がおかしかったらすぐ分かる。

俺を引いてる小さな手に少し力が入る。

ゆっくり振り返って、

「桃ちゃんのこと好きになっちゃだめだよ。」

そう言った。


少し悲しい顔をして。


ほんの一瞬、期待した、けど

そういう意味じゃないことまで
分かってしまう自分が嫌だった。

「ヤキモチかー?」

俺は冗談で言った。
これで、照れてくれたら嬉しいのにな。

「そんなんじゃないよー。」

ほらな、こいつは平気な顔をするんだ。

そして、あの事を心配してるんだろ?


「剛には、同じ想いさせたくない。傷ついてほしくないの。」

「心配すんなって、俺浮気女とか興味ねぇし。」