ひとりじめ


「瑠菜っ!」

正面玄関からでてきた私を見つけて、すぐに剛がかけつけてきた。

「ごめんね、待たせちゃって。」
「いや、全然いいけど・・・ん?お前、顔赤くねぇか?」

ぎくっ

まだ顔赤いの私っ

「ああ赤くないよっ?気のせい!」

あはは、と笑いながらごまかして剛の先を歩いた。

「・・・あいつになんかされた?」
「は?!されてないし!」

されてはないけど、させられたというか、呼ばれただけっていうか。


『瑠菜。』


ードキ

ヤバイ、あんな顔で呼ばれたら
頭から離れない。

私は遊佐のことで頭がいっぱいで
そそくさと早足で歩いていた。

ふと、剛が隣にいないことに気がつく。
ぴたりと足を止めて、振り向く。

剛はだまって私を見つめていた。

「・・・剛?」

「お前・・・さ、気づかない?」
「へ?」

私は何のことだかさっぱり。

「っ俺は!」

私はきょとんとして剛を見つめる。

「・・・はぁ。やっばなんもねぇ。」

そう言って私に近づいて頭をぽんぽんした。

「えー、何?気になるじゃん!」
「俺が言いたくなったら教えてやるよ。」

剛はふっと笑って再び私の横を歩いた。