プリントを出し終えて、学校をでると門のところに誰か立っていた。
「剛!」
遠くからの背中でもすぐに分かった。
幼い頃からずっと見てきたから仕草ですぐに分かる。
「遅ぇよ。」
「待っててくれたんだ?」
駆け足で剛の隣に並ぶ。
「今日の夕飯、母ちゃんいねぇからお邪魔するわ。」
「おっけー!柚子ちゃんは?」
「柚子は今日友達と食うって。」
剛には中2の妹がいて、両親が共働きだからよくうちに夕飯を食べに来る。
なんたって親同士仲いいからね。
「今日の夕飯なにかなー」
「たまにはお前も手伝えよな?」
ははっと笑いながらゆっくり歩いて帰っていった。
