*RIO*

ー俺の女をひとりじめにしたいとか、
他の男と遊んだら許さねぇとか、
俺はそんな小さい男じゃねぇから。ー


春のにおいがする放課後の高校。
俺は正面玄関で彼女を待っていた。


「莉央ー。」
「あ、桃。」


振り向くとそこには、

俺の大切な人、佐々木桃。

こいつは小学校から一緒で
気づけばいつも側にいて、
お互いのことはよく理解してる。



桃が俺にふわっと抱きついてくる。

桃はいい匂いがする。


「けんたくんがね、私のこと好きって聞いたからね、サービスしてきてあげたら逃げちゃった。」
「またお前そんなことしてんのかよ。」

「やっぱり莉央がいいーっ」


桃がぎゅーっとしがみつく。

肩より少し長い髪をさらっと触りながら


桃の柔らかい唇に

優しいキスをする。


「当たり前だろばーか。」

ガタッ

すぐそこの下駄箱で物音がした。
横目で見ると見たことのない女が立っていた。




ーこれが山下瑠菜との初めての出会いだった。ー