ネジの外れた強引王子


パタン……。

お母さんに怒られてしまっては、橘の勢いも削がれていく。
たった今閉じられた扉の向こうでは、橘が出かける準備をしているはずだ。

「下で待っていましょう、百目鬼くん」

はっと気付けば、橘母の声は元通り、冷淡な声に変わっていた。
先に階段を降りていく後ろ姿には、先程の優しげなお母さんの雰囲気は微塵も残されていない。

あとを追えば、リビングに通され、ソファを勧められる。

「……どういうつもりですか、百目鬼くん」

向かいに腰を下ろすなり、橘母は淡々とした声色できいてきた。