「ほら、百目鬼くん、ここまで来てくれたんですよ。なのにあなたってば、まだ寝てるなんて」
「えっ………そ、それはごめんなさい……?」
思わず謝るけれど、なんだか疑問系になってしまった。
しかし、彼はそんなに気分を害しているわけでもないらしい。私の言葉をスルーして、
「大丈夫。僕も、橘のお母さんに会えて嬉しいし」
笑顔でそう言って、お母さんに向き直る。
お母さんは満更でも無さそうに笑って、今日はよろしくお願いしますね、こんな子ですけれど、と軽く頭を下げた。
いえいえ、と受け答えをする百目鬼君。
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