「……っ、……はい」


はっきり言ってしまうのを、ためらってしまうほどに。

となり、わずかに空いた私たちの距離は、きっと、何があっても埋まらない。
それは、彼が御曹司で、私が一般人に生まれてしまったときから、決まっていたことだから。

私が何をして、それを彼がどう受け止めたか、それがどうして「デート」に発展したのか、私にはわからない。

だけど、単なる好奇心で近づいてこられても困るんです。
あなたは、近付けば近付くほど、魅力的な人間なんですから。

いつかーーーーのことを、考えるなら。

絶対にない、そう思うけれど。
今、伸ばされた手を振り払うべきなんです。