紅い果実《BL》



「いまちらっと思ったことなんだけど、もしかしたらこの子は探してるんじゃないかなって。」

「誰を?」

「自分と“共鳴”するヤツをさ。」

共鳴?
なんだそれ。

「この子はもう分かってるんだよ、自分が隷属になることを。

だから、選んでるんじゃない?
自分がこの人のために死にたいって思える人を。

まあ、死んでるけどね。」

選ぶ?
隷属が?

そんな話聞いたことないな。

そもそも隷属には感情がない。
人間の時の記憶を消され、契約した死神から名前をもらい、その死神のために存在が消滅するまで尽くす。

…まあ、俺みたいなヤツは例外だけど。