どうして名前があったかというと、俺が人間だったからだ。
死神は皆、元々神様だった者。
死んだ神だから死神、という意味もある。
でも俺は、人間だった。
人間は死神にはなれないのに、どうして、とささやかれた声があったらしいが、当然といえば当然か。
俺は人間のとき、悪魔と契約したのだから。
悪魔と契約した人間は、力を手に入れ寿命を削る。
契約、というより売買に近い。
力を手に入れた俺はさらに力を求め、ついに寿命が来て死んだ。
悪魔と取引をした人間が死ぬと、その魂は悪魔の所有物となる。
しかし、俺は力を持ちすぎて、その悪魔を殺してしまった。
所有者のいない所有物は、地獄にもいけず、生まれ変われもせず、一生死神として過ごさなければいけない。
だから俺は、死神を続けている。


